だれかのひとりごと

しがないSEVENTEENオタクの随想ブログ

Ode to you in SEOUL


誰かのアイドルでいられる時間は、歌手と表現されるそれより短いと思っている。

アイドルがアイドルとして夢を見させてくれる時間には、限りがあるのだ。

それがグループアイドルであれば、更に寿命は縮む。

だからこそ、限りある時間を懸命に走る彼らが、目をしかめるほどに眩しいのだ。

そう、彼らは今“SEVENTEEN”というアイドルを全うしてくれている。

 

 

 

“Ode to you”――

君に捧げる歌、とでも訳せばいいだろうか。

正直、ハルコンのセトリを組み替えたところに、未披露曲を差し込んだ程度のコンサートだと思っていた。

そう思わざるおえないほど、彼らがあまりに忙しく過ごしていたからだ。

日付変更線を幾度と飛び越えながら、イベントやカムバ準備に追われる彼らのどこに、こんなものを用意する時間と気力があったのだろう。

私たちファンに捧げられたこの公演は、彼らの意地と大きな愛だ。

 

 

 

今までの公演が「ともに遊ぶ」だとしたら、今回の公演は少し毛色が違ったように思う。

どちらかといえば、視覚的に魅了するShowの要素が強かった。

効果的な舞台装置、演出、衣装、曲のアレンジやVCRにいたる全てが、彼らのパフォーマンスにより一層の華を持たせ、見せるものとしてのクオリティーをグッと引き上げていた。

もちろん今までの彼らの公演も、見せるものとしてのクオリティーは申し分なかった。

むしろ、特殊な舞台効果を使わずとも、会場全体を楽しませることができるパフォーマンス力が彼らの強みだ。

そんな彼らが5年目の今、身をすり減らしてでも表現したかったもの――まだまだ俺たちは終われない、そう己に言い聞かせているようだった。

 

 

 

人は大切な何かを守ろうとするとき、おのずと不安を抱く。

近くで誰かが大切な何かを失ったとき、その不安は大きくなる。

彼らにもきっと、そんな瞬間があったのかもしれない。

守ってあげたいと涙を流したリーダーと、12人の心にうっすらとかかった靄が晴れますように。

無数の光の一つになって、長く続く彼らのこれからを祈りたい。

 

 

「今」という時間は二度と訪れない。

彼らはきっと、痛いくらいにそれを知っている。

だから私は見たいのだ。

「今」を生きる13人のアイドルを。

 

 

 

全ての最高を凝縮した3時間30分。

アイドルという職業に命を燃やす13人の青年たちが悩み、苦しみ、葛藤し、出した答えが“Ode to you”

だとすれば、私はまだ君たちに夢を見ることができる。

 

だれか